NOEL(ノエル)
「いいんですか?」
「逆はありえないだろう?」
「すみません。」
アルベルトは、四つんばいになったユーロの背に乗ると、頭上の板をグイと持ち上げた。
「開きました!」
「行け!」
「はい!」
アルベルトは四角く開いた天井部分の片側に手を掛けてよじ登ると、
「これ・・・は・・・」
目の前に広がる光景に唖然とする。
楽屋と思われるその縦長の空間の向こう側、おそらくそこが入り口と思われる方向には、無数のアニマル・ミュータント達が折り重なるように倒れていた。
あるモノは壁に打ち付けられたような格好で気を失っているように見える。
入り口のドアは吹き飛び、大きく穴の開いた天井からは、瑠璃色へと照度を上げた明るい空が見えていた。
そして・・・
横に泳がせたその視線の先には、一人の少女が倒れていた。