NOEL(ノエル)

(!!)

アルベルトは少女に駆け寄ると、その体を抱え起こす。

色を失った小さな顔の額には大粒の汗が浮かび、黒いキャスケットから零れたシルバーオレンジの髪は、小刻みに震える華奢な肩へと落ちる。

だらりと下がったか細い腕の先からは、パチパチと小さな音を立てながらと青白い光が弾けていた。


そしてアルベルトの瞳には、ニコルの汚れたコットンシャツの胸元に、それまでずっと記憶の片隅に感じていた、温かな、けれど眩しい程に光り輝く白い珠が、トクトクと息づいているのが、確かに見えた。


「君が・・・」

アルベルトはそう呟いて、その光にそっと自分の右手を翳そうと持ち上げた

その時

――ビクッ!

支えていた小さな体が震え、

「アタシに触るな!」

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