NOEL(ノエル)
「レミ・・・」
「あなたまで失いたくないのよ!」
「レミ、このままじゃ終われない。
この気持ちを引きずったまま、僕たちはこの先を過ごしてはいけない。
そうだろ?」
「じゃぁ、私も行く。」
「レミ?!」
「私も行きます。」
きっぱりとそう言い切った母親の言葉を聞くなり、ニコルはビクッと体を震わせてベッドから飛び起きる。
「ママーっ!!ママーっ!!」
父と母がその時何を話していたのか、その時のニコルにはよく分からなかった。
けれど、二人がどこか遠くに行ってしまう事だけは、小さなニコルにも想像はついた。