NOEL(ノエル)
ニコルの声を聞いて、レミがニコルの部屋へ飛び込んで来る。
「ニコ、ごめんね! 起きちゃった?」
レミはそう言いながら、ベッドに腰掛けてニコルの小さな体を抱きしめる。
「ママやだ! 行っちゃやだ!
ママがいい!!
ニコ、ママがいいの!!」
ニコルは必死でレミにしがみつく。
「あれ?
ニコ、お話聞こえてたの?」
「ニコ、ママがいい!
ママがいいの!!」
泣きじゃくるニコルの頭を撫でながら、レミはその瞳にそっと話しかける。
「ねぇニコ、ニコはパパが心配じゃないの?
パパは研究ばっかりしてて、お外にあんまり出ないでしょう?
だから知らない街へ行ったら、きっとパパ、迷子になって帰って来られなくなっちゃうわ。
だからママが一緒に行って、ちゃんとパパを連れて帰って来るのよ?」