NOEL(ノエル)

「じゃぁこうしましょう。

パパはママが連れて帰って来る。

ニコはパパとママが帰って来るまでお爺ちゃんの研究所でいい子で待ってる。

どう?」

「え?爺ちゃんの“けんきゅーじょ”、
ニコ行ってもいいの?!」

ニコルの顔が途端に輝く。

「特別にね?」

レミは唇に人差し指をあてて、小さくウインクしてみせる。

いつもは危ないから行ってはダメと言われている、大好きな祖父-エドの研究所はニコルの憧れの場所だった。

「ニコ行く!!」

「おいおい、いいのか?」

アランは慌ててレミの顔を見る。

「たった一週間でしょ?
そのくらいなら父さんも許してくれるわよ。」

「やったーっ!」

ニコルの嬉しそうな声が小さな部屋の中に弾けた。

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