NOEL(ノエル)
「どういう事?
お金だったら、今までだって充分稼いでたじゃない?
今だってそうだわ。
私のライヴのお客は一人も減っていないはずよ?
それじゃ、不満?
私じゃ不満なの?ベラ」
「エミリア・・・
聞いてちょうだい。」
ベラはゆっくりと瞼を開けると、その大きな体を起こしてエミリアを見る。
「セシルには今大きなスポンサーが付いているの。」
「スポンサー? 誰なの?」
「分からないわ。
ただいつも前触れ無くセシルのライヴの日時を指定した文書をボルケーノに送り付け、私の口座に多額の現金を振り込んでくるの。」
「現金って・・・」
「信じられない程の金額よ。
ボルケーノの一年分の収益に匹敵するくらい。」