NOEL(ノエル)

エミリアはベラから目を背けると大きな溜め息をつく。

「ベラ・・・
そんな大金どうするつもりなのよ?
エドのところから質のいいガイノイドでも纏め買いするつもり?」

ベラは大きく首を横に振る。

「違うわ、エミリア。
ねぇ、こっちを向いて頂戴」

ベラはその大きな掌をエミリアの頬にあてると、その瞳を覗き込む。

「私は、あなたにVINOで歌ってもらいたいの。」

エミリアは驚いてその瞳を大きく見開く。

「ベラ、何言ってるの?
そんな事、出来る訳ないじゃない!

私達はVINOでは生きられない。
そんな事、分かりきった事だわ。

私達は所詮フェイク。
どこまでいったって、上の連中には敵わない。

そう言っていたのはベラ、あなたよ?」

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