NOEL(ノエル)

「だよね、だよね~♪」

「ちなみに、先週ビルがメールに書いてよこした、端末の環境だけどね・・・」

ユーロは部屋の一角にずらりと並んだエミリアのキャラ入りPCの前まで行くと、その中の一台に触れる。

「スペック的にビルの希望に合ってるのは、コイツだと思うんだ。」

モニターは上下に24分割され、それらは別のネットワークへの入り口になっているようだ。

ビルはモニターにざっと目を通すと、デスクに浮かび上がったキーの配列をチェックする。

「ちょっといじっていい?」

「もちろん。
それはビル用にセットアップしといたヤツだから、いつでも使っていいよ。」

―――カタカタカタカタ

ビルの指は、ユーロのデスクの上を弾むように動く。

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