NOEL(ノエル)

「いや・・・」

白衣の青年は親指を顎にあて暫く考えると、にやりと唇を歪ませた。

「構わない。
むしろ・・・面白くなってきたよ。」

ビルは心配そうにモニターの向こうを覗き込む。

「ねぇ・・・あなた何かさ、良くない事考えてない?!」

白衣の青年はビルの問いかけには応えず、人差し指をビルに向けて嬉しそうに続けた。

「いい事を教えてくれたお礼に、君に面白い事を教えてやるよ。」

「え?」

「VINOの政権を握る『イレイズ』の姓を持つ血族には、決して犯してはならない暗黙の決まり事がある。」

「暗黙の・・・決まり事?」

「イレイズの血族は、Trueミュータントとは決して契りを結んではならない。」

「え、どうして?!
つか、そんな話アルから聞いた事無いけど・・・」

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