NOEL(ノエル)

「知らないだろうね。
というか、敢えて知らせなかった・・・というのが正しいか。」

白衣の青年は、うんうんと頷きながら呟く。

「言ってる意味が分からないんですけど・・・」

ビルは唇を尖らせる。

「だから君は理解する必要は無い。」

「えー何でだよ?
アルは親友だしさー。
あの女の子、ちょっと気が強そうだけど可愛いかったしさー。」

「では、次の報告を待っているよ。」

白衣の青年がそう言うとモニターの映像は消え、後には白い画面と、二枚の翼の紋章だけが残った。

「おい!
何だよ言いたい事だけ言ってさー、もう話終わりかよー!

おい!ハイバラーっ!」

ビルがモニターに向かって叫んでいると、

――リロリン

ベルのような音と共に、突然モニターの画面が切り替わる。

< 287 / 298 >

この作品をシェア

pagetop