NOEL(ノエル)

「いや、別におかしくねぇよ?
VINOにもお前みたいな向上心のある若者が育っているのかと思ってな。」

ガイは次のブロックへと足を進めながら話を続ける。

「VINOの奴らは、NANOの作ったものをそのまま頂いちまうだけかと思ってたからよ。」

「え?」

「あ、いや別にイヤミ言ってる訳じゃねぇよ。
それがルールだから仕方ねぇ。」

「ルールとは?」

ミルクは眉を寄せる。

「800年前の地殻変動の後、VINOの人間達は地下に巨大なエネルギー製造施設を創り出した。

自然や地殻変動に揺るがない絶対のシステムを持つファクトリー・・・

それが、このNANOの核だ。

VINOの人間達は、絶滅寸前だったミュータント達に人間を模倣する権利を与え、その見返りとして、NANOでのエネルギー管理と、VINOへの様々な資材の提供を義務付けた。」

「人間を模倣する権利、というのは・・・?」

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