NOEL(ノエル)
「大丈夫よ、BOY。 ほら、見てて。」
ベラはそう言って目を瞑り、ふっと息を吐く。
すると、剛毛と爪はするすると消えてなくなり、その手は白く艶やかな女性の手に変化した。
「あ・・・!!」
「セシルお前、初めて見たか?
くっ。 それじゃぁ驚くわな。
NANOにはな、色んなイキモノがいるぜ。
此処は何でもアリの街だからよ。」
「それじゃ・・・エドも?!」
「俺は・・・そうさな。
まぁ少なくとも、こいつらみたいな毛や爪は生えてこない。 原形はヒトだ。
ただ、チップは埋め込んでるけどな。」
「チップ・・・
エド・・・あ、あの・・・」
セシルがおずおずと口を開くのと同時に
「ねぇBOY、あなた歌は唄えて?」
ベラが人差し指を顎にあてながら、セシルにニッコリと微笑んだ。