NOEL(ノエル)
NANO CITYにあるBiofarm(農業地帯)は大きな環状ラインであるドームウェイの南に位置する。
その広大な農業用空間は細かいブロックに分かれて存在し、それぞれは作物の開発目的によってナンバーが付けられていた。
ユーロの所有するMナンバーの農地は、主に研究開発を目的として営まれていた。
ドームウェイを上方に抜けると、ニコルはAirワゴンを誘導サインの指示通りに走らせていく。
ワゴンがFarmに近づくにつれ、辺りの色はグレーから白色へとその照度を変えていった。
(眩しいな・・・)
ニコルはキャスケットのツバを下げ、目を細くする。
ユーロのBiofarmは、宙に浮かぶ巨大な銀色のドーム型のハウスの中にあった。
ハウスの上部にも、先ほどの少女のイラストがにっこりと微笑んでいる。
ニコルは少し眉をしかめながら、そのハウス中央にある通路を抜け、Airワゴンをその先にある研究施設へと向けた。