NOEL(ノエル)


「しかしまぁ、壮観な眺めだな。」

ガイはハウスの作物に感嘆の声を上げる。

ハウス内は様々な作物ごとに区画整理され、その中の作物は、まるで展示場に陳列されているかのごとく、全てが完璧な形で育っていた。

「当たり前よ。
NANO CITYの農業に不可能は無いからさ。」

ユーロが自慢げに鼻を鳴らす。

「こいつは欠陥品みたいだけどな。」

ガイは、エネルギー切れなのか少しおとなしくなったアンドロイドを見ながら呟いた。

「ユーロ、ファクトリーに入れていい?」

「ああ悪いな。奥まで入れてくれ。」

ニコルが研究施設の中にあるアンドロイド・ファクトリーにワゴンを向けると、ユーロはその扉に向かって人差し指を向けた。

扉は、それに反応したように左右にスライドし、同時に内部の照明が点灯する。


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