NOEL(ノエル)
「まだそうと決まった訳じゃないんだけどさ・・・
ほら、これ。」
ユーロは開いた画面をガイに見せる。
「メモリのINとOUTが正常に行われていない所が一箇所だけあるだろ。
多分、それが原因でメインの回路が休止出来ない状態になってたんじゃないかって・・・」
「まさか・・・いやそんなバカな事が・・・」
「出来ない事じゃないだろうな。
上のヤツらだってそれくらいの知識は持ってる。
ただ、何故そんな事をするか・・・だろ?問題は。」
ニコルはガイの後ろからモバイルの画面を覗き込んで言った。
「・・・。
悪いユーロ、ちょっと用事を思い出した。
俺は先に帰る。」
ガイはそう早口で告げると研究室の扉へと向かう。
「おい!何だよガイ、やっぱお前もエミリアちゃんのライブに・・・」
言い終わらないうちに、ニコルはユーロの肩をぐっと掴むと
「それ、違うと思う・・・。」
そう言ってシルバーオレンジの髪を素早くキャスケットに押し込んでガイの後を追った。