NOEL(ノエル)
「言ってないからって!
私はあなたの唯一の研修パートナーなのよ!!分かっているの?!」
「ん? 研修パートナーならもう一人いる筈だけど・・・」
アルベルトは、窓際に寄りかかって先ほどから一心腐乱に小型モバイルを操作している少年を指し示す。
「あぁ、ビルは論外だわ。
もともと研修生は成績上位者2名の予定だったんだから。
それを無理やり親の力で特例を作るだなんて・・・。
しかも、事前研修中だというのにあの態度。
さっきからずーっと女の子に週末のデートの申し込みをしているのよ。
それも複数の!」
ビルと呼ばれた少年- ビル・ハーディは、ふと顔を上げるとミルクに向かってにこやかにヒラヒラと手を揺らしてみせた。
ミルクはそれを無視して話を続ける。
「話を戻すわ。
何故、ハウスキーピング用・・・なのかしら?!
ビルが行くならまだしも、あなた、女子には全く興味が無いと思っていたのだけれど?」