NOEL(ノエル)

「あ~あ。
なんか、ミルクちゃん怒らせちゃったみたいだけど?」

ビルがくっく・・と笑いながらアルベルトを振り返る。

「彼女が怒る事では無いさ。」

アルベルトは小首を傾げてそう言うと、また視線を本に戻した。

「だから・・・
アルベルト・イレイズは女嫌いだって噂が立つんだよ。」

ビルは、やれやれと大げさに溜め息を付きながらアルベルトの隣りに腰掛ける。

「ところで・・・
NANO CITYのアンドロイドに絡む事で、ちょっとした情報を仕入れたぞ。」

ビルはそう呟くと、ポケットにあった小型モバイルを開き、指先で画面の中央をトンとクリックした。

画面の中央には小さな男の子の映像が映し出される。

「これは・・・」

アルベルトが目を見開くその映像の下には、小さな灰色の文字でこうクレジットされていた。

『侵入者情報- No.01397: Cecil Erase (年齢:不詳)』

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