NOEL(ノエル)
「ただ不思議なのが、俺がこのムービーを観る限りではそれほど特別じゃないんだよね。
ま、確かに超キュートくんではあるけどさ。」
「このライヴハウスに何か仕掛けがあるとか?」
アルベルトは映像の外側をぐるりと指で回転させてみる。
「うん、俺も色々やってみたんだけど、特にこの映像からは何も見つからなかった。」
「セシル・・・イレイズ・・・か。」
アルベルトは映像の右下にクレジットされた文字に目を落とす。
「そうそう。
偶然だとは思うけど、お前と同じ姓だ。
ステージ・ネームかもしれないけどね。」
「でも、イレイズという姓は特別だ。」
「だろ? そうだろ?
イレイズって姓は此処VINO CITY には、そうそういる名前じゃない。
だから俺も気になったんだ。
しかもその子は今NANO CITY にいる。
不法侵入者として・・・。」