幕末咲乱華
《ガヤガヤ…》

急に外が騒がしくなって来た。



?「おぃ、浪士ども!!お前等が此処の宿に居る事は分かっているんだ!大人しく出て来い!」



芹沢が障子を少しだけ開け、様子を見た。



芹沢「…角力取共だ。しかも八角の樫の棒を持っていやがるぜ。…50〜60は居ると見た。」



芹沢の言葉を聴き、皆、嫌な汗を流した。



山南「…恐らく、昼間に乱闘した角力取が仲間を呼んで来たのでしょう。」


華「え………じゃあ又、喧嘩が起こるんじゃ?!」


永倉「無いとは言えない。避けられない事だ。」



又、人が負傷したり殺されたりしてしまうのでは…?と、嫌な事ばかりが脳裏に浮かんだ。















力士1「おい、どうした!!俺達が怖いのかぁあ?ギャハハハハハ!」


力士2「悔しかったら出て来いやぁ!!」



角力取が暴言を吐き始めた。



力士3「確か壬生浪士組と言ったな?浪士……主家を離れ、仕える主君をもたない武士の事だ。哀れな者達……ガハハハハハ!!!」



3人目の言葉に堪忍袋の緒が切れたらしく、芹沢は壁に立て掛けておいた刀を手に持ち、物凄い殺気を出して部屋から出て行った。
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