幕末咲乱華
沖田「え?あ、あの……いや、何でもないです!」


華「何でもないです!じゃ、ありませんよー!あ!!ま、まさか……俺を引き上げた時にどこか怪我したんじゃないですか?!」



またもやオロオロしながら沖田を覗き込むと、手で鼻を押さえていた。



華「ぎゃーーー!鼻が痛いんですか?!折れちゃいましたか?!ど、どうしよ〜・・…。」



ヘナヘナと腰を降ろすと、沖田の足下に血が落ちていた。



華「え………血?………血ィィイイイ?!」



バッと顔を上げて沖田を見ると、手で押さえている所から血が滴り落ちていた。



華「あ、あの〜…え、えと・・………鼻血ですか?」



沖田は顔を真っ赤にして泣きそうな目になりながら、うん、と頷いた。



華「………これを血が出ている方の鼻に詰めて下さい。それと、上を向かないで下さい。肺に入っちゃうんで……。」



懐に入れてあった布を破いて、沖田に渡した。
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