幕末咲乱華
斎藤「ただ見ている事しか出来なかった…。」



言葉に言い表せない表情を浮かべ、だん!と自分の足に拳をぶつけた。



華「・・…なら俺も同じですよ。助けられたのに、それが出来なかった…。悔しいです・・……悔しいですけれど、もう終わった事なんです。」



愛次郎くんが困っちゃいますよ?と微笑み、斎藤に近付き、足の上に握られた握り拳に手を載せた。
そして華はその時、“芹沢へ復讐する”と心の奥底で決めた。








それから夕食になり、食事を取った。

チラッと芹沢の方を見ると、胡座(あぐら)をかいた膝の上に頬杖を付いて華を見ていた。
ドキッとして目を反らし、お茶を啜った。

それから寝室へ戻り、風呂へ入る支度をした。
風呂は隊士達が入り終わった後に、華だけ貸切で使わせて貰っていた。
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