幕末咲乱華
華「散歩ですょ散歩。ずっと部屋の中に居ても退屈なものでね…。何かご不満でも有りますか?」



少し焦りながら……でも気持ちを落ち着かせ,何とか冷静を保ち微笑んだ。



女将「散歩しやはんのに,少し足を踏み外さはったようやね…。その手に持ってはる物は何どすか?」



と,華の微笑みが少し気に食わなかったらしく,苛立った様子で言った。












華は『しまった!』と顔の色を少し変えてしまい,それを見た女将は……



女将「見てしまわはった以上は,生きて帰す訳にはいまへんな…。あの世に行って貰いまひょうか。」


と,華が見たあの笑みを浮かべ,懐に隠し持っていた刃物を抜き出し,まるで忍びの様な素早さで華の目の前まで近づき……


女将「ほな,さいなら。」と
言葉を掛けた。
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