幕末咲乱華

★八月十八日の政変

8月17日

目を覚ますと、なんだかこの日は慌ただしい空気が漂っていた。


華は夜中、医者に容態を見て貰ったが、やはり土方の言う通り普通の風邪だった。
それが他の隊士に移っては面倒なので、また個別の部屋を用意して貰い、そこで安静にしていた。



華「何か・・あったのかな?」



まだ熱が引いていないそのふらつく足取りで、外へ通じる障子を開けた。


大きな事件、又は大きな仕事が入ったのか、隊士は皆、浅葱のだんだら模様の入った隊服を羽織り、黄色い鉢巻きを頭に巻いて集まっていた。



?「みんな聴いてくれ!」



土方の大声を聴き、ざわついていたその場は一瞬にして静かになった。



?「いよいよ我等、壬生浪士組は大きな仕事を手にする事が出来た!それは、中川宮朝彦親王(なかがわのみや あさひこしんのう)や薩摩藩・会津藩などの公武合体派で、御所九門の警護を行う事だ。
そして、長州藩ら尊皇攘夷派を、この京から追い出すのだ!一匹たりとも、中に通すな!」


隊士「ォオオーッ!」



近藤の力強く気合いの入った声を聴き、隊士も又、気合いを入れた。
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