幕末咲乱華
華「うおー!わん太、元気だったかーぃ?」



つい前までは座る事さえままならなかったのに、いつの間にか大きくなっていた子犬。

命の尊さを感じた。



おしの「なんや、可愛い犬やね〜。わん太って名前なん?」



よーしよし、と喉を撫でる。

わん太は、とても幸せそうな顔をしている。



華「いいえ、違いますよ〜。ただ勝手に呼んでるだけなんです。」



そういえば本当の名前はなんていうんだろう?と呟きながら、わん太の頭を撫でる。



おしの「ほ〜ん・・。ほれ、お手してみんしゃい。¨お手!¨」



右手をわん太に差し出し、チョイチョイと指先を動かす。


わん太は首を傾げてそれを暫くジッと見つめた後、ヒョイと後ろ足を載せた。



華「わ、わん太ー!」



おしのさんの雰囲気はつい先程まで穏やかだったのに、急に怒りの様な赤と黒が混じった色に変わった。

それに驚いた華は、すぐさまそのわん太を叱った。



おしの「ぇぇ………」


華「え?なんか言いまし…「なんて頭のええ犬なんー!!」


華「ぇええええ゛?!!」



さっきのオーラと、その言葉はなんだーーー?!と驚き、白くなった。
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