幕末咲乱華
華「え?そうだったんですか?初耳です!」



キラキラ目を輝かせながら、おしのに問う。

しかし心なしか、おしのの表情が曇っている様に見えた。



おしの「・・…せんよ。」


華「……え?」


おしの「うちには、姉妹などいまへんけど?」



言葉に言い表せない位、悲しそうな表情をしていた。



主人「そうどしたか!いや〜、いや〜、なんやとんだ間違いを聞いてしまいました。すいまへんな?」



そんなおしのの表情が分からないのか、はたまた目が悪くて見えないのか分からないが、微笑みながら店の中へ入って行った。





華「大丈夫ですか?」



心配になって声を掛けた。
が、反応はない。



華「お、おしの……さん?」



今度はペシペシと頬を軽く叩くと、ハッ!とした様だった。



おしの「あ、いややわ〜!うち、ボーっとしてもうて・・…。
華ちゃん、おおきにやで?」


華「い、いいえ・…」



わたわたと焦るおしのを見て、不審に思った。


そして何故、店の主人はそんな事を言ったのか分からなかった。
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