幕末咲乱華
¨ビックリやろ?¨と、小さく微笑んで話し始めた。





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今から約20年前、ある小さな村で暮らしていた4人家族。


その小さな村は近所同士がお互い助け合って生きていた。

その暮らしは決して豊かとは言えなかったが、笑顔が絶えない幸せな毎日だった。


が、ある時、不幸にも両親が流行り病に感染し、医者に見て貰えるお金などなかったため、なんの処置も出来ずに還らぬ人となった。





残った姉妹2人。


それが、おしの(5歳)と姉の桜子(さくらこ)(7歳)だった。





それからというもの、どの大人もその姉妹を見掛けると、



「可哀想に。」

「まだ幼いのになぁ・・…」



と、口々にした。





―――そんな眼で見ないで…!

―――幼いって決めつけないで!





ある時その姉妹は、今まで育った村――両親の墓がある村――を去った。
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