幕末咲乱華
姉妹はゆっくりと目を開けた。



真っ赤な血の海が広がっていた。

鉄の匂い―――



おしの「きゃああああああああああ!!」



血の海の真ん中には、既に事切れているだろう、老夫婦が崩れていた。





お爺ちゃん―――

お婆ちゃん―――!





ただただ涙が頬を伝うばかりだった。





何で、私達姉妹だけこんなに切ない思いをするの?



何で―――
何で―――――?!










輩「おお?なんだ、ここに子供がいるじゃねぇか。売れば、どの位儲かるかな〜♪」



鼻歌を歌いながら、輩はこちらへ向かって来る。



桜子「逃げな、おしの。」


おしの「え?!嫌だよ、そんなの!!ずっとお姉ちゃんといたいよー!!」



泣き叫ぶ"おしの"。

その間も、どんどん距離を近付けてくる輩。



桜子「行けったら行けーーー!!」



涙が出ない様、下唇を噛み、"おしの"に背を向けた。
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