幕末咲乱華
おしの「お姉ちゃん………。」



コクンと頷くと、その場を離れた。

桜子の悲鳴を聴きながら‥……





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おしの「それから、うちは当てもなく歩いて、どこかの船に乗り込んで、ついには京に来たんや。」



いつもニコニコしていて、冗談ばっかり言う明るいおしの。


その背景には、そんな辛い過去があった。


とても信じられないが、全ておしのの身に起こった事実。

受け入れなきゃ‥…と思った。



おしの「うちな、さっきの姉妹見とったら、お姉ちゃんとうちが重なったんよ。
そしたら、自分の過去を打ち明けとうなって……。
きっとお姉ちゃんは、死んでしもうな。そやから、うちはお姉ちゃんの分まで生きるんや!って決めてん!

‥………長うなったけど、聴いといてくれてありがとうな?」



おしのは、スッキリとした面持ちになり、¨よっしゃー!やったるでー!¨と川に向かって叫んだ。



おしの「ほな、かえろうか!うちらの"家"に♪」



¨はい!¨と力強く返答し、少し薄暗くなって来た空の下、屯所‥…いや、¨私達の家¨へ向かって走って帰った。
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