幕末咲乱華
それを実際に目の前にした時、かける言葉も見つからなかった。


自分を取り巻く何とも言えない感情に再び強く目を瞑り、その場を離れようとした。

が、



ガシッ



華「…?!な、何?!!」



野口に腕を掴まれ、驚いて振り返った。



野口「ちょっと相手してよ」



そう言うと、そのまま華の手を引いて何処かへと足を進めて行った。















足を止めた場所は、近くにある壬生寺(みぶでら)の境内(けいだい)だった。



このお寺では沖田と八木家の子供、それに近所の子供と鬼ごっこをしたりかくれんぼをしたりとよく遊んでいるので知っていた。
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