幕末咲乱華
野口の手が止まる。

それに伴い、華の手も止まる。



華「健ちゃん……」



俯いている野口の頬に手を伸ばそうとした。

その瞬間……



ガンッ!!



野口が華に向け、木刀を振り下ろした。



華「……てっ…」



何とか避けたつもりだったが、頬にチクンとした痛みを覚えた。


そして又、野口が木刀を振り上げた。

今度こそは受け止めない―――…


そう思った時、



?「おい!てめェら、何してるんだ?!」



怒声を上げたのは、いつもより眉間に深く皺を寄せ、こっちに向かって走って来る土方だった。





まずい………
絶対ヤバいょ、コレ……





野口の殺気よりも土方の殺気(=切腹)の方が恐ろしかったため、勢い良く立ち上がり、その場を全速力で立ち去った。
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