幕末咲乱華
?「今までどこへ行っていたんだ?」



その声の主を見ると、何故だか涙が溢れて来た。



?「え、ええ゛?!何で泣いてるんだ?!!」



慌てながらも、土方は自分の着物の裾で華の涙を拭ってやった。



華「……切腹」


土方「は?」


華「切腹しないといけないんでしょ?俺……」



次々と生まれ来る雫。

止まらなくなっていた。



土方「なんで切腹なんだ?」


華「……え?」



今度は華の頭に?が浮かんだ。



華「だって……健ちゃんと…」


土方「健ちゃん?……ああ!!あいつは、ただ単に¨稽古していただけ¨だって言っていた。
まさか、それだけで切腹だと思ったのか?」



クックッ!!と声を押し殺しながら、目に少し涙を浮かべ大笑いした。



土方「あ、わ、悪い!お前、本当に……面白い奴だな。」



笑いが収まったのか、コホンッと咳を1つし、ポンッと華の頭の上に大きくてゴツゴツした手を乗せた。
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