幕末咲乱華
土方「ん?華、お前……」


そう言うと、突然、華と同じ高さの位置まで腰をかがめ、息がかかりそうな位にグッと顔を近付けて来た。





¨キスされる―――?!¨





そう思い、ギュッと目を瞑った。





土方「頬、怪我してんぞ?」


華「はや?」



予想外な言葉が出て来たため、変な言葉が出た。

しかし、そんな言葉が耳に入らなかったのかどうか知らないが、土方は懐に手を入れガサガサと漁り始めた。



土方「これやるよ。酒と一緒に飲むと効き目が良いぜ。」



懐から出した物を華に手渡し、自分の頬に人差し指でツンツンしながらその場を去った。


土方を見送りがてら、手渡された物を見た。



¨石田散薬¨



それには、そう書かれていた。



華「優しい人ですね?」



フッと微笑み、華もその場を後にした。
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