幕末咲乱華
華「ふぅう〜…」





短い挨拶だったが,しっかり言えたので安堵して溜め息が漏れた。





土方「華!こっちに来て近藤さんに挨拶しろ。」





土方は,既に近藤と呼ばれる男の前に座っていた。


華『行動…早ッ』


そんな事を思いながら土方の隣に腰を落とした。


近藤と呼ばれる男は,顔付きがいかつく圧倒される様な人物。
恐る恐る話し始めた…





華「は…初めまして。華と申します。
私を,此処で女中として雇って下さりありがとうございました!
なんとお礼を申したら良いのか……」



近藤「お礼なんて良いんだよ。むしろ,こっちがお礼をしたい。
女中の人は皆,失礼だが若さが劣っている。華君みたいな若い子が女中になってくれると,隊士達も喜んでくれるだろう。しかも君は綺麗でおしとやかな人だしな!」



華「そんなッ!綺麗でおしとやかな人だなんて……〃」





隣の土方は,腹を抱えながらククッと2人に気付かれない様に笑っていた。


近藤は外見とは違い,笑うと両頬にえくぼが出来,いかにももの優しげであった。





近藤「この辺では余り見掛けない,別嬪な顔をしておるよ。

ところで話は変わるが怪我の方は大丈夫なのかい?」





又,土方に見せた様に肩をブンブンと振り回しながら元気だと答えた。





近藤「そうか!それは良かったな!」



華「有難うございます!」





それから少し話をして,自分の席に着いた。





華「近藤さんて…外見は怖いけど,優しくて心が広い良い人なんですね!」



土方「ぁあ。
何てったって近藤さんは,俺が尊敬している人だからな!」





酒を注ぎながら答え,それから土方と他愛も無い話をした。



















沖田「はーなーさーん♪」





沖田が話し掛けて来た。
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