幕末咲乱華
それから日は経ち、桜が舞い散る美しい春は、木々が緑に変わる暑い夏となった。


志士は勤王と呼び佐幕と呼び問題は沸騰し、京都には未だ将軍が滞在しているので勤王の志士は入り込めなかった。
そこで九州方面から東上する志士は大阪に足を止め、同志と気脈を通じ、だんだん日を重ねると共に広い大阪には浪士の数で溢れ返り、これには流石に町奉行も困ってしまった。
そしてついに京都の新選組へ取締方を頼み込んで来た。


芹沢さんと近藤さんは即座に人選し、他に20人の隊員を率いて大阪へ向かい、一先ず八軒屋の京屋忠兵衛方へ泊まった。










【6月3日】

燃える様な暑さの中、芹沢さんの提案で船涼みへ出掛けた。

ぁたしは沖田さんに誘われ、船中は不便というので、稽古気に袴を付けただけの姿で出掛けた。



華「船に乗ったのは初めてです!」


沖田「そうなんですか?!じゃあ、今日は楽しまなければいけませんね♪」


?「仲が良いな、お主等。」


沖田「芹沢さん!そう見えますかね?」


芹沢「うむ。……お主等はまだ人を斬った事がない様だな?」


華・沖田「え…?」
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