Resolver
仕事が9時に終わったが、生徒の質問を受けていると9時半になっていた。途中、藤本に電話して好きな店に入るように伝えた。

俺が仕事先を出て店に着いたのは10時前だった。

個室にいた藤本がひょっこり頭を傾け、笑顔で俺に手を振った。


何か恋人同士みたいだ・・と自分でも思ったがそれはないか、となぜか安心してた。

今は誰とも付き合う気がないからだ。

いくつか料理を頼んだ後、


突然、藤本が発してしまったんだ。



「私、先生が好きになったんです。彼女になってもいい?」


あ・・言っちゃったよ。最後はタメ語。だけど藤本は頑張ったんだな。


先生と言っても所詮は予備校講師。


「なぁ藤本。今は大学に入学して1週間しか経ってないよな?」

藤本は頷いた。

「おまえはまだ若い。俺じゃなくてもいいんじゃないのか?」

タバコを吸おうと灰皿を取った時、俺の手は藤本に握られていた。

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