fennel/mimosa
 それより、何でお兄ちゃんがそこに……?生徒会長?え?

「……家の妹のアクシデントがありましたが……」

ザワッ

 言っちゃったー!……お兄ちゃんのことだから言わないと思ってたのに……。
 ずっと隠し通せるはずないし……私が。お兄ちゃんは隠し通せそう。

「……似てなーい」
「同じクラスじゃん」

 ああ……私の平和な日々を返して。恥ずかしい行動した時点でもう平和な日々は無理だったかな……。

 スゴいざわめき。どうせ似てなくてカワイくないもんっ。似てるはずないしっ!
 私とお兄ちゃんが本当の兄妹でも……似てたら嬉しいけど。
 お兄ちゃんの親の顔見てみたい!ムリだけどね……。

「…何があった?」
 眠り姫が今頃起きた。遅いよ、起きるの!
「凜歌ー!」
 全部凜歌のせいではないけどね……。
「元はといえば…凜歌のせいだぁー!」
 ただの責任転換で八つ当たり。

 でも……気付かれる前ちょっとの間は平凡な日常が送れるって期待してた私がバカみたい!ヤダな……。

 私が暗い顔をしていると、凜歌が私の肩を叩いた。

「私がいる」
 凜歌は何でも察して分かってくれる。
「凜歌……ありがとう!」
 またみんなに聞えこる声で言っちゃった。
 壇上のお兄ちゃんと目が合った。顔は笑ってるけど……目が笑って無いよ!
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