fennel/mimosa
「鳥海、華塚、いい加減にしろよ」

 お兄ちゃんの一言で亮先輩と梨子先輩がぴたりと止まって、お兄ちゃんの方を見た。
 ……お兄ちゃん何者?

「会長!」
「如月会長!」

 物凄く驚いた顔。なんか似ている気がする。
「いや、あー……」
 なんでこんなに焦ってるんだろ?
「何をしていたんだ?」

 お兄ちゃんの顔を見ると……あー、そういうことか。

「な……何でもないですわ!ねぇ?亮」
「ああ、そうだな」

「そうか、人様に迷惑かけてると思った」

 あー……眩しい笑顔。
 生徒会でもこんなんなんだぁ……。

「まさか!ねぇ?蓮音さん?」
 私にくるの!?
「え、あ……まぁ、はい」

 急にふられても困る!
 しかも……はいって言っちゃった!

「蓮音……」
 呆れ顔のお兄ちゃんと目が合った。私が1番迷惑かけられてたんだよね……。

「蓮音、お前……」
「あ、あははは……」

 急には無理だよ……!頭回らないもん。

「せっかく……」
 ひぃー!頬っぺた引っ張られる!

「やめひぇ!」
「全く……」

 ひりひりする……。

「喧嘩せずに真っ直ぐ帰るんだぞ?」

 小さい子に言うみたいに眩しい笑顔で言うお兄ちゃん。

「はい……」
「帰りますわ」

 2人肩を並べて歩いて行く。
 やっぱ……仲いいよね。

 今はお兄ちゃんがこわいからかもだけど。
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