満月の夜に
「輝いているのに、誰にも気付いてもらえないの・・・



お月様って、とっても悲しいのよ?




・・・あたしみたいに。」









 あたしは静かに、下を向いた。




昨日できた水たまりに、星が映っている。








 「でもさ」






 ヒロが口を開いた






 「今日ここで、月は太陽と出会った。


  ・・・だろ?」







 「え?」








「僕の名前の『ヒ』は、太陽の『陽』。



 今まで気付かなかっただけかもよ?



 お互いの存在に。」





 “僕らは、運命を変えたのかもよ?”








 ヒロは、あたしの髪の毛をくしゃッと撫でた。




 ・・・この人なら・・・あたしを、

愛してくれるかな?







 「明日、また会える?」





 「それはムリかな。」






 「なんで?」







 「カメラ修行で、満月の日しか


 外出許可おりてないんだ・・・」










             
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