満月の夜に
 ヒロは静かに、あたしの隣に座った。




 そして、手に持ってるカメラを持ち上げて、


 写真を撮るまねをした。







「僕、写真が好きで、よくここに来るんだ。


特に、月が好きなんだ。」






 そういうと、ヒロは嬉しそうに笑った。






 「ミヅキは何でここにいるの?」




「・・・あたしが、引きこもりだから。」





  「え?」






「あたしね、小学校の時いじめに


 あって、それから引きこもりになったの。


 だから、友達いないんだぁ。」







 あたしは苦笑しながらエヘヘと笑った。








 ―――なんであたし、初めて会った人に



  こんな事話してるんだろ・・・



 でも、初めて会った気がしないのは何故?




 自分で自分が不思議になった。





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