満月の夜に
 「僕、写真家になりたいんだ。」



 「へぇー、すごーい。」




 「全然すごくないよ?

            
  僕、センスないし・・・」






         
 ヒロが、儚げに笑った。






「・・・そんなことないよ?




       
 だって、この写真、


 勇気をくれるもん。





 見てるとね、幸せな気分になるの。



 一人じゃないんだぁって思った。」








 するとヒロは、



 恥ずかしそうな、嬉しそうな



 笑みを浮かべて、




『ありがとう』






 と言った。







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