4月1日の告白
無気力
しばらくして、
千夏ちゃんたちの激しく泣く声が、すすり泣きに変わった頃。
担当医がまたアタシの前に現れ、
何やら首を傾げながら話した。
『ご自宅に電話をしても、出ないのですが…彼は一人暮らしですか?』
えっ??
わかんない…
アタシ、そー言えば、正の家行ったことないし
来るか?とも言われなかったもんだから…
しかし、隣ですすり泣いていた千夏ちゃんが、
思い出したようにアタシに言った
『そう言えば…
だいぶ前に水野が、アイツは一人暮らしだって言ってたかも…』
アタシはその瞬間に、
正が時折見せていたあの寂しそうな表情が頭に浮かんだ。
―もしかして…
家族と仲良くなかったのかな?
寂しかったのかな…。
『とにかく調べてみますね。もう遅いですから、お2人は帰ってもよろしいですよ』
アタシと千夏ちゃんは、抜け殻のようにして病院から出てきた。
未だに実感を得ることが出来ない。
きっと、これから1ヶ月くらいは無理だろう。
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