4月1日の告白
『あっ』
千夏ちゃんは、さっと顔を上げてアタシを見た。
「どうしたの?」
『自転車…』
ああ、そっか。
ほんの数時間前、この手で、正の肩にしがみついてたんだった…。
やっぱり、受け入れられなくて
今は涙が出てこなくなった。
2人で自転車置き場に行く間、重い沈黙が続いた
「てか…カギの番号わからないよね…」
こんなときなのに
何だか、正たちが先に帰っただけのような気分で
くすっと笑ってしまった自分に腹がたつ。
『そだよね…』
千夏ちゃんも顔の筋肉を引きつらせながら笑う。
アタシたちはこれから、
どこを目指して歩けばいいのか…
分かるようで分からない。
アタシたちのこれからの未来に、
大好きなヒトがいない。
想像もつかない。
―誰か、道しるべになってください…
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