4月1日の告白



ほぼ無言。



いわば、隣に居てくれているだけのような敬太。


アタシは時折敬太の表情を確認したけれど、やはり何を考えているのかは分からない。



それよりも…



大切な彼氏を亡くしたばっかりなのに、

こんな風に他の男と歩いたりしていていいのかな‥?



アタシって、この期に及んで最低なんじゃない??


やっぱこんなのいけない。




「敬太‥」



弱々しい声で恐る恐る呼んだ。



『ん?』



きょとんとして振り返る敬太。



「やっぱりアタシ、1人で帰れるから‥じゃぁねっ!!」



そう言い捨ててダッシュした。


走りながら足止めをする、敬太への罪悪感。




―敬太はもしかしたら…




でも、正への罪悪感のほうが大きくて、また全力で走った。



走った。


走った。


足が使い物にならなくなる気がするくらい、

走った。
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