4月1日の告白
『‥お前が逃げた理由はもう分かってる』
「‥‥‥‥」
『俺も、ちょっと余計なことしたなと思った』
「‥いや、そんなこと無いよ。ただアタシが悪いだけで‥」
『そんなに自分責めなくていいからとりあえず聞いてくれ?』
「うん…」
『あのさ、俺のこと、男としてじゃなく友達として見てほしい。今だけでいいから』
「……え?」
『俺は別にお前が好きなんじゃなくて…救いたいだけだから。』
そこまで言って敬太はしばらく俯いた。
汗なんかもうとっくに引いたのに、
頬を何かが伝った。
涙だった。
堤防を無くした海岸に津波が押し寄せたように
サラサラと涙が溢れる。
必死にハンカチで拭いて涙を隠した。
「ありがとう、ありがっとうっ…」
ついには嗚咽までもが過呼吸のような速さで押し寄せた。
敬太は、こんな不細工な顔して泣くアタシの背中を黙ってさすってくれた。
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