4月1日の告白
アタシたちはとりあえず生徒指導室を出て、
【あの屋上】に行った。
ここなら誰も気づかないだろうから。
敬太は涙で顔をぐしゃぐしゃにしてる。
「…敬太、ありがと」
『全然っ…俺…助け、るの、遅い、かった…」
変に片言で一生懸命喋ってくれる。
「ううん。敬太が早く来てくれて、助かった。
本当にありがとう」
敬太は肩を震わせて泣きまくる。
アタシはそっと彼の背中をさすった。
何だかこーゆーとこ、正に似てる。
ヒーローみたいなとこ。
感情が分かりやすいとこ。
……と。
不意にアタシは抱き締められた。
「…けいた…?」
大きな体で、アタシを包み込むように。
ぎゅーって。
アタシと敬太の間に隙間が無くなるくらいに。