4月1日の告白


その後アタシたちは、校門まで離れて歩いた。


そして校門を出た瞬間に、正が隣に並ぶ。


その顔はとても嬉しそうでアタシもつられて笑った。



『なんか…解放されたな!!』


「そだね♪」



学校の中でウワサが流れたりなんかすると面倒なことになる。




だから今はとりあえず


“隠れカップル”


でいようと2人で決めたんだ。




『なんか今日暑いよな〜。今はあんまり俺に近づかないほうがいいよ』


青々とした空を眩しそうな顔で見上げながら、

恥ずかしそうに言う正の言葉の意味がアタシには分からなかった。



「どうして??」



『だって…俺汗臭ぇもん!』



正はヤケクソだという感じでアタシに言う。



しかしアタシはそんな正を見て首を大きく横に降った。




「全然!!アタシ、正の柔軟剤の良い匂い好きだよ!!」


本当にそう思っていたから、

ちょっと変態チックな言い方になってしまった。





『…え??』





キョトンとしてアタシの顔を見る正。


それで我に帰ったアタシは、顔を真っ赤にして言い訳をした



「…ち、違ッ…その、別に臭くないし…」



自分でも何が言いたいのか分からなくなってる




『いつそんなん嗅いだんだよ?』




顔を上げて正を見ると、悪戯っぽく笑っていた。



―あれ??アタシ、確かにいつ嗅いだっけ…??





ちょっと考えて、アタシは思い出した




「わわわッ!!」




そうだ。

屋上で正に抱きしめられたときに嗅いだんだ…





アタシって匂いフェチ!?


まじでキモいじゃん!!




わー恥ずかしいよ〜!!




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