4月1日の告白


黙りこみ始めて1分ほどした頃、

道の脇からネコが飛び出してきた。


にゃーと可愛く泣きながら正のズボンの裾にすりすりしている。



『おい俺エサ持ってねぇよ?』


正は立ち止まってネコに話しかけている。



しかしそんな正を無視してアタシはスタスタと前進していた。




『…っておい明日香!!』



そんなアタシに気付いた正は、


“じゃぁな玉五郎”


ネコにそう別れを告げて走ってきた。




『今日何か用事あんのか?何でそんなに急いでんだよ』



「……………。」





さすがアタシ。


名演技かも。




ケンカに発展しないように、最後はちゃんとバラすつもりだし。




楽しい♪♪




「…ってか、玉五郎って誰がつけたの」



『俺だけど』




可哀想に玉五郎…


そんな名前をつけられちゃったのね。





アタシがこらしめてあげるからね!
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