4月1日の告白
束の間の幸せ
今日は土曜日。
部活も無いし…のんびり出来る!
あたしは、もう昼近いというのにパジャマでベッドに寝転がって漫画を読んでいた。
内容は…有り得ないほどカッコいい男の子と普通の女の子が織りなす恋物語。
《こんな展開ゼッタイ無いって!》
と思うものの、
この男の子に敬太を重ねて読んだりしていた。
―いつかアタシもこんな風になれたら…。
読む度に妄想が膨らみ、顔がニヤけるので人前で読むことは出来ない。
ガチャ…
『明日香、起きてるの?』
「わッ!!」
その時、思わぬタイミングでお母さんが入ってきて、
慌てて布団の下に漫画を隠した。
こんな乙女な漫画読んでることは知られたくない。
『何やってたの?』
「あ、いや…布団の上でぼんやりみたいな?」
下手くそな嘘だ。でもお母さんはそこをスルーしてアタシに手招きした。
『それがさぁ…男の子から電話掛かってきてるんだけど…』
「へ?誰??」
アタシは特に仲良くしてる男子なんか居ない。
『お母さんが聞きたいわよ。もしかして…、』
「違うってば!!それはナイ!!ってか早く出なきゃじゃん!!」
も〜誰だよ?
お母さんに怪しまれちゃったじゃん…。
ドタドタと階段を駆け下りて、玄関にある電話の受話器を取った。
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