4月1日の告白
でもそんな光景が、ちょっぴり嬉しかったりする。
「アイツ無視して行こっ!」
『あー。そだな』
アタシは正の服の裾を引っ張って、無理やり教室から出た。
しかし、
廊下に居た男子にも冷やかされる。
『ラブラブ♪♪』
『黙れっつってんだろハゲ』
正はその男子にそう吐き捨ててると、
開き直ったようにアタシと手を繋いだ。
沸き起こる歓声の中、アタシはほぼ放心状態で引っ張られるまま学校を出た。
――――
『ふー…ここなら誰も来ねぇだろ』
しばらく2人で走り、気づくとアタシたちの周りには誰も居なかった。
「な…なんかさ、まじウザイよねあいつら」
アタシは笑いながらそう言ってみたけど、心の中はそれどころじゃない。
正と繋がった手が熱くなる…
心臓がバクバクと高鳴っていた。