4月1日の告白



『ほらほら、話しかけなくていーの??おい』



敬太はマックまでの道のりでも友達を冷やかしてた。


もう敬太しつこい!

ってかアタシ、その人の名前すら知らないし。



敬太もその友達もアタシには話しかけてこなくて、

何だかだんだん嫌気がさしてきた。


これじゃぁせっかく来たのに邪魔みたいじゃん‥




―やがてマックに到着すると、すぐさま敬太たちはメガマックを頼んでいた。


アタシはと言うとちょうど金欠だったので、マックシェイクで我慢した。



それに、敬太の前でガツガツ食べるの嫌だし…



カウンターから席に戻ると、


敬太の友達の隣が空席だった。



《ここに座れ》


ってことか…


喋ったことも無いのにすごい近距離。




でもまぁ敬太の隣に座るのも緊張するし。




アタシは黙ってその席に腰を下ろす。



『んじゃ、食べながら自己紹介と行こうぜ♪

俺はー‥いらないよな?』



アタシと男の子はうんと頷く。



『じゃ…俺は、河野 正。よろしく…』




恥ずかしがりながら言うと、そのまま彼は俯いた。




『照れんな!次、神崎』




「えっ…と、神崎明日香です。よろしく」



……し〜んと静まり返る。




「え、何でこんなシラけんの(汗)」



どうして誰も反応してくんないの!?



思わずかぁーっと恥ずかしくなってしまった。




『ハイハイ、よろしく〜!!後でゲーセン行こうぜ』



その空気を切り替えるように敬太が手を叩き、何とかなったから良かった。





敬太は個人的にアタシに話しかけることは無くて、


アタシはただただチビチビとマックシェイクを飲むぐらいしかすることが無かった。



.
< 8 / 139 >

この作品をシェア

pagetop